
本日はお足元の臭い中、我々のブログにお越しいただき、ありがとうございます。先日、玉玉、インターネットのヤホーで凄い新人を発見したので、みなさんに知っていただきたいとおもいまして。
ハンロロっていうんですけどね。えっ?知ってる?!。嘘、知ってるのー?!。ああ、そうですかー。
と、いうわけで、ヤホーではなく実際にはBugsでこのブログの為にI.O.Iの順位を確認していたところ、あの、なぜかインパクトのある1stのジャケ写が目に飛び込んできまして、あわてて、上の方を見返してみると、上の方にもランクインしてるじゃないか。「あれ、ハンロロが売れてる!」ちょっとGPTに「なんで、ハンロロ売れてるの?」と聞いたところ、ライブ映像で火が付いた逆走行という。しかもバズりのピークは今年1月くらいというじゃないか。こうもん見えても、普段チャートなんか見ないので全く知らなかった。
人の名前なんかまったく覚えない私だが、ハンロロって名前はなんか響きが面白くて覚えていたのだ。
ONGRAY とのコラボ曲『Like my groove』と、ウェブドラマ『나를 사랑하지 않는 X에게』のOST『Do What You Like』の2曲がプレイリストに入ってて、「帰国子女っぽい元気な歌唱をするカワイコちゃん」という印象だった。
今回、全曲を順番に聴いてみて、どうも印象が違う。私が好きな2曲は特殊だったらしい。
これは、デビュー前に事務所と試した「ハイティーン路線」—英語歌詞で、キュートで、弾けた感じのブランディングの名残りだったらしい。そして、その路線は失敗したのだという。本人が「自分の伝えたいメッセージを、文学的な言葉で書きたい」と方向転換して、デビューしたのだった。
でもって、韓国語の、しかもかなり文学的な歌詞を、モダンロックに乗せて歌うシンガーソングライターと評価されている。
ハンロロ(한로로/HANRORO)プロフィール

- 本名 … ハン・ジス(한지수)
- 生年月日 … 2000年11月11日
- 出身 … 慶尚南道 昌原市
- 学歴 … 慶南外国語高等学校 → 建国大学校 国語国文学科
- デビュー … 2022年3月14日 シングル『입춘(立春)』
- 所属 … authentic(旧Studio MOS・同社初の練習生出身)
- ジャンル … モダンロック/インディーポップ
- ファンダム名 … ロケット団(로켓단)
- 特記 … 歌手・作詞作曲・小説家
まず、あの名前は、本名のジス(지수)が韓国語で「指数」と同じ綴りで、高校の数学で「指数と対数(ログ)」を習ったときに友達から「ハン・ログ」とあだ名をつけられた事に由来している。それを芸名にしようとしたが「数学的すぎる」ので、もっと丸っこい「ロロ」に転がした。さらに「道」を意味する漢字「路」を重ねて、「自分だけの道を進もう」という意味も込めたという。理系のダジャレで始まって、最後は詩になっている。韓国のファンの間でも、ポロロやケロロといったキャラクター名で呼ばれて愛されているらしい。日本人の耳には、なんとなく面白いあの名前の響きは、韓国人の耳にもちゃんと丸くてかわいいらしい。
母親がギターを弾きながら歌ってくれる人だったので、幼いころから音楽には慣れ親しんでいたという。元々はシナリオライターを志していたが、自分の思ったことをよりストレートに表現するには音楽の方がいいのではないかと漠然と考えていた。。そんな中、2020年、Instagramでたまたま流れてきたチョスン(초승/CHOSNG)というシンガーソングライターのMVを見て、映像の空気感に魅了される。そのチョスンが所属していた事務所がStudio MOS(現authentic)だった。「音楽を学びたい」一心で連絡したところ、「デモを聴いてみたい」という返事をもらう。持っているのは高校時代に親に買ってもらったウクレレだけだった彼女は、ノートPCに無料の作曲ソフトを入れて約2か月でデモ2曲を作り上げた。そして同社初の練習生として迎えられた。
「ハイティーン路線」の失敗、そして立春
2022年3月14日、デジタルシングル『입춘(立春)』でデビュー。これがインディー新人としては異例の反響を呼び、BTSのRMがInstagramで紹介したことでも話題に。Apple Musicの「2022年最高の楽曲100選」にも選出。デビュー曲の時点で、第20回韓国大衆音楽賞の「今年の新人」「最優秀モダンロック楽曲」2部門にノミネートされている。
ハンロロのMVは『정류장(停留場)』が札幌、『금붕어(金魚)』『사랑하게 될 거야』が香港と、海外ロケも辞さない作り込みよう。さらに小ネタをひとつ——彼女のMVにはやたら「走るシーン」が多い。事務所いわく「ハンロロは走るのが相当うまいから」。本人いわく「走るのが趣味ではないが、やれと言われればよく走れる」。なんだその特技。
外国語高校出身で英語はできる。でも「英語で歌えるからそうする」ではなく、「韓国語で書きたいことがあるからそうする」を選んだ。その判断が全部正しかったことを、今のチャートが証明している。だが、デビューで注目されつつも以降はヒット作には恵まれなかった。
逆走行
火元はライブパフォーマンスの映像。
特に大きかったのが2つ。2025年7月4日放送のMnet『LIVE WIRE』第3話で披露した『사랑하게 될 거야』この映像がYouTubeで885万回再生を叩き出した。さらにJTBC『Begin Again』のオープンマイクでの同曲パフォーマンスが317万回再生。広告でもタイアップでもなく、ステージの強さそのものが起こしたヒットだ。
2026年に入ると加速がつく。2月に韓国大衆音楽賞「今年の音楽人」受賞。4月には『ユ・クイズ ON THE BLOCK』に出演、4月10日にはKBS『ザ・シーズンズ – ソン・シギョンのコマンナムチン』、5月にはMBC『ラジオスター』。地上波の露出が一気に増えた。
結果、タイトル曲でもなんでもない、1st EP『이상비행』収録の『사랑하게 될 거야』と、3rd EP『자몽살구클럽』収録の『0+0』が揃ってTOP10入りしたのだった。
1月には首位も獲得。そして本日もTOP10に入り続けるロングセラーとなっている。
最新作『애증(愛憎)』——ゲームオーバー?
2026年4月2日リリースの最新シングル『애증(愛憎)』について触れておきたい。タイトル曲は『게임 오버 ?(GAME OVER ?)』、カップリングは『1111』の2曲入り。ハンロロのシングルで2曲収録は初めてだ。
「한 번뿐인 목숨을 사냥에 투자하고 싶지는 않네요(一度きりの命を狩りに費やしたくはないです)」——開幕のこの一節が、この曲のすべてを言い当てている。恋愛をゲームに見立てながら、「でも私は簡単に狩られるつもりもない」「ただ明日も無事に会おう」と着地する。攻めているようで守っている。強がっているようで祈っている。MVは525万回再生、it’s Liveでのライブ映像も話題だ。
カップリング『1111』は、タイトルが彼女の誕生日(11月11日)と同じ数字。「誕生以来受けてきたすべての愛と憎しみの繰り返し」を歌い、「森はいつでも沼になりうるし、沼はいつでも森になりうるという事実の悲しみを」と綴る。愛と憎しみで「愛憎」。2曲でひとつの物語になっている。
アレンジャーには、初期からの相棒イセに加えて、3rd EPから参加しているRyoと진동욱(ジン・ドンウク)の名前がある。初期のイセのプロデュースから、徐々にハンロロ自身が作曲にも深く関わるようになっていることが、クレジットから見て取れる。これまでの彼女の唱法は曲によってずいぶん違うのだが、それはその曲の背景にある憧れが無意識に表れたものだと思うのだ。今作はおそらく意図的にコントロールされていると感じる。一聴してわかるとおり曲調も今までとずいぶん違うのだが、よりアーティスティックに進むこの姿勢を支持したいと思う。
歌だけの人ではない
活動の幅が広い。作詞家としては、TOMORROW X TOGETHERの『물수제비(水切り)』、テヨンの『악몽(Nightmare)』『Blue Eyes』、チェ・イェナの『4월의 고양이(4月の猫)』、NMIXXの『Heavy Serenade』に歌詞を提供している。K-POPのど真ん中に言葉を届ける作詞家としても、実績がある。
2025年7月には初の小説『자몽살구클럽(グレープフルーツあんずクラブ)』を出版。なんと所属事務所のauthenticが、彼女の本を出すために出版業の登録までやったという。そしてこの小説がベストセラーに。3rd EP『자몽살구클럽』は、この小説の「主題歌」にあたる作品だという。音楽と文学が、一人の25歳の中で完全に地続きになっている。
アイドルシーンの側からラブコールも飛んでくる。LE SSERAFIMのキム・チェウォン(同じ2000年生まれ)は「最近ハンロロの曲しか聴いていない」と公言してコンサートにも足を運び、NMIXXのヘウォンは「2023年にいちばん聴いた曲」として『사랑하게 될 거야』を挙げた。TXTのスビンは「金魚も、愛するようになるよも、すごく好き」と言い続けた結果、ハンロロが正規3集の『물수제비』に作詞参加して成德(推しに認知されること)を果たした。
ディスコグラフィ
シングル

2022.03.14
デビューシングル『입춘(立春)』
RMが紹介、Apple Music「2022年最高の楽曲100選」選出

2022.06.18
シングル『거울(鏡)』

2022.09.14
シングル『비틀비틀 짝짜꿍』

2023.01.04
シングル『정류장(停留場)』
MVの撮影地は札幌

2023.04.21
シングル『자처』

2023.12.26
シングル『하루살이(カゲロウ)』

2024.10.29
シングル『나침반(羅針盤)』

2026.04.02
シングル『애증(愛憎)』
2曲入り(게임 오버 ? / 1111)
EP

2023.08.29
1st EP『이상비행(異常飛行)』
タイトル曲『화해(和解)』『금붕어(金魚)』、収録曲に『사랑하게 될 거야』

2024.05.28
2nd EP『집(家)』
タイトル曲『ㅈㅣㅂ』『재(灰)』、先行シングル『먹이사슬(食物連鎖)』『생존법(生存法)』。第22回韓国大衆音楽賞・最優秀モダンロック楽曲ノミネート

2025.08.04
3rd EP『자몽살구클럽(グレープフルーツあんずクラブ)』
タイトル曲『시간을 달리네(時間を駆ける)』、先行シングル『도망(逃亡)』、収録曲に『0+0』。同名小説(2025年7月出版・ベストセラー)の主題歌EP
参加作品(ボーカル)

2022.07
ドラマOST『Do What You Like』
나를 사랑하지 않는 X에게 OST Part 2

2022.08
ONGRAY コラボ『Like my groove』
with 진동욱

2022.10
プロジェクトシングル『당신의 밤은 나의 밤과 같습니까』
feat. 숨비

2023.06
イ・チャンヒョク(AKMU)ビデオプロジェクト『Romantico』

2025.11
アニメ『マルは江犬』OST『뛰어!』

2026.04
ドラマ『21世紀大君夫人』OST『안녕』
作詞提供
- 2022 … 진동욱 『그런 날』(『私の解放日誌』OST)——作詞
- 2023 … TOMORROW X TOGETHER 『물수제비(水切り)』——作詞・プロデュース
- 2023 … テヨン 『악몽(Nightmare)』——作詞
- 2024 … テヨン 『Blue Eyes』——作詞
- 2026 … チェ・イェナ 『4월의 고양이(4月の猫)』——作詞
- 2026 … NMIXX 『Heavy Serenade』——作詞
活動年表
- 2022.03 … デビュー
- 2022.11 … EBS「2022 今年のヘロールーキー」最終6人に選出
- 2023.03 … 第20回韓国大衆音楽賞「今年の新人」「最優秀モダンロック楽曲」2部門ノミネート
- 2023.09 … 初の単独コンサート「이상비행」開催
- 2024.06 … KBS『ザ・シーズンズ – ジコのアーティスト』で地上波初出演
- 2025.07 … 小説『자몽살구클럽』出版(ベストセラー)
- 2025.07 … Mnet『LIVE WIRE』出演——『사랑하게 될 거야』のパフォーマンス映像が885万再生
- 2025.12 … 第17回メロン・ミュージック・アワード人気賞(トラックゼロ・チョイス)受賞
- 2026.02 … 第23回韓国大衆音楽賞「今年の音楽人」受賞
- 2026.04 … 『ユ・クイズ ON THE BLOCK』出演
- 2026.05 … MBC『ラジオスター』出演
ハンロロだけじゃない——インディーの当たり年
視野を少し広げておきたい。2026年のチャートで、ハンロロは孤立した現象ではない。
恋愛リアリティ番組『換乗恋愛4』の挿入歌で再発見されたCar, the gardenの『그대 작은 나의 세상이 되어』は1位まで上り詰めた。10CMは『너에게 닿기를』で久々の音源チャート1位。イ・チャンヒョク(AKMU)は3年ぶりのアルバム『EROS』が批評的に絶賛された。WOODZの『Drowning』も逆走行組だ。
バンドシーンに目をやれば、韓国大衆音楽賞常連のSilica Gel(ハンロロのコンサートにメンバーが観客として来る仲でもある)、アイドルとバンドのハイブリッドという新しい形のQWER。フェスのラインナップには大御所とこの世代が普通に並ぶ。
TVを経由しない音楽が、チャートの最上位で当たり前に戦える時代が来ている。ハンロロは、その先頭を走っている一人だ。
おわりに
I.O.I は、テレビと投票が生んだ奇跡だった。ハンロロは、テレビも投票も通らずに、自分の言葉と演奏だけでチャートの同じ場所まで来た。
入り口は正反対なのに、いま同じTOP10に並んでいる。この光景こそ、2026年のK-POPの面白さだと思う。
あのとき「帰国子女っぽいかわい子ちゃん」だと思っていた人が、国文学科を出た詩人で、小説家で、ロックを歌うシンガーソングライターで、しかもチャートのてっぺん近くにいた。私の目は節穴だった。でも、節穴から覗いた景色がこれだけ面白かったのだから、まあいいか。
えーハン口口の話、いかがだったでしょうか。「もういいよ。」
イジェン・アンニョン。



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