
前回のハンロロ記事を公開した翌日、Newsweek日本版にまつもとたくお氏のハンロロ記事が上がっているのを見つけた。
読んだ。文章うまいし、私が書いた内容がほぼ内包されているじゃあないか。違いはハン口口くらいのものかもしれん。
芸名の由来、『立春』からの流れ、逆走行の経緯、韓国大衆音楽賞、丁寧に取材された文章で、しかも1日早い。公開処刑である。プロの音楽ライターと素人ブロガーを比べること自体がおかしいのだが、同じ題材で同じ週に出ると、さすがにへこむというものだ。
というわけで、気を取り直して次にいく。昨年デビューして良作の多かったHITGS(힛지스)が6月26日にデジタルシングル『Things We Dream : Vol.2』をリリースしたので、このタイミングで紹介しておきたい。
HITGS(힛지스) [Things We Dream Vol.2]

MVのお金かかってない感じがとっても気になる。TV活動なしなのかも。
個人的にはRYAN JHUN&外人チームの4作目までの方が好みだったのだが、なかなか良い。今回はメイン作曲家がプロデューサーデュオLASに代わって2作目。
LASはAvinとSlayの2人組で、ともに1997年生まれ。AvinはLAのミュージシャンズ・インスティチュートでギターを、Slayはバークリー音楽大学で電子音楽制作を専攻した。IVE『Love Dive』『After Like』『My Satisfaction』の作詞・作曲に参加している。ほかにもMONSTA X『Beautiful Liar』、IMP.『CRUISIN’』(オリコン1位)、ダンスクルーPROWDMONとの『RUN RUN』(Spotify日本チャート1位)など、裏方としての実績はかなり厚い。RYAN JHUNとの共作も多く、HITGSへの起用は自然な流れだったのだと思う。
HITGS(힛지스)とは
H Music Entertainment所属の5人組ガールズグループ。2025年4月28日、1stシングルアルバム『Things We Love : H』でデビューした。タイトル曲は『SOURPATCH』。デビュー時の平均年齢16歳。
グループ名はHip, Innocent, Teenager, Girls, Storyの頭文字から。読み方は「ヒッジス」。もともとは「Project H 2025」という仮称でSNSアカウントが開設され(2024年12月9日)、2025年3月31日に正式名が発表された。翌4月1日にデビュー日告知、同月28日にデビュー。告知から1か月足らずである。
事務所のH Music Entertainmentには、先輩グループにWOOAH(2020年デビュー)と男性グループDXMONがいる。2026年4月にはIRON ENMとの協業で3グループ同時展開の3部作プロジェクトを打ち出しており、今回はHITGSの2作目。
実はこのIRON ENMは前出LASのAvinが代表を務める会社で、個人向けの音楽制作やレコード制作、それをフォトフレームにしたりのグッズ制作を行っている。結婚や家族のセレモニーに利用されることが多いらしく、それを考えるとアルバムタイトルや『桜(Cherry Blossom)』『少しずつ(Little by Little)』という曲名も、なんか納得。
メンバーの生年は2006年、2008年、2009年、2009年、2010年。全員10代。最年長で20歳、最年少で16歳。大手のサバイバル番組を経由していないが、経歴を見ていくと一人ひとりがやたらと濃い。
メンバープロフィール
ビビ(VV:비비)——SM、Yuehuaを渡り歩いた最年長

- 本名 … リュ・コーウェイ(吕柯薇 / Lǚ Kēwēi)
- 生年月日 … 2006年6月3日(20歳)
- 出身 … 中国・浙江省湖州市
- ポジション … ボーカル
- 身長 … 168cm(グループ最長身)
- MBTI … INFP
グループ唯一の外国人メンバーで、旧芸名はVivian(비비안)。
SM EntertainmentとYuehua Entertainmentで練習生を経験してからH Musicに来ている。韓国アイドル業界で最大手と言っていいSMと、中国系大手のYuehuaを経由して、結果的に小規模事務所でデビューしたというのは、本人にしかわからない事情があるのだろうが、経歴としてはかなり異色。グループのムードメーカー。
ソジン(Seojin:서진)——リーダー。釜山育ちの優等生

- 本名 … ヤン・ソジン(양서진)
- 生年月日 … 2008年4月16日(18歳)
- 出身 … ソウル生まれ、釜山・東莱区育ち
- ポジション … リーダー、ラッパー、ダンサー
- MBTI … ESTP(練習生前はENFP。練習生生活で変わったらしい)
Kiss of Lifeのチームで練習生経験あり。現在は翰林演芸芸術高校に在学中。学生時代は常に平均90点以上だったという。ラッパーとリーダーの兼任で、リーダーはグループコンテンツ「HITGSTORY」Ep.04で確定した。MBTIがENFPからESTPに変わったというのは、練習生の日々がどういうものかを物語っている気がする。
ソヒ(Seohee:서희)——元・新体操の国家代表ジュニア

- 本名 … チェ・ソヒ(최서희)
- 生年月日 … 2009年5月11日(17歳)
- 出身 … 京畿道 金浦市
- ポジション … メインボーカル
- 学歴 … 翰林芸術高校 在学中
韓国ジュニア新体操代表チームのメンバーだった。SBS『英才発掘団』に新体操の神童として出演した過去もある。
コロナ禍で新体操ができなくなった時期に、IUのコンサートファンカム映像を見てアイドルを志した。Starship Entertainmentの練習生を経てH Musicに移籍。このとき、Starship時代の後輩だったHyerinを一緒に連れてきている。HITGSの核を作ったのはこの人かもしれない。
ヘリン(Hyerin:혜린)——センター。ラブリーなビジュアル担当
- 本名 … チョ・ヘリン(조혜린)
- 生年月日 … 2009年12月10日(16歳)
- ポジション … ビジュアル、センター
- MBTI … ISTP

Starship Entertainmentの練習生だったが、中2で退所。先にH Musicに移っていたSeoheeの勧めで合流した。
幼い頃からストリートキャスティングをよく受けていたというタイプで、ネイルアートの資格も持っている。2024年12月9日、WOOAHのナナ・ウヨンとともにTIRTIRのポップアップイベントに登場し、HITGSの最初の公開メンバーとなった。自己紹介では「HITGSのラブリーなビジュアル」と名乗っている。デビュー直後にビジュアルが話題になったのも頷ける。
イユ(Iyoo:이유)——京都出身のマンネ

- 本名 … イ・アン(이안)
- 生年月日 … 2010年3月26日(16歳)
- 出身 … 日本・京都(在日コリアン)
- ポジション … メインダンサー、ラッパー、マンネ
- MBTI … ENFJ
- ニックネーム … ピョンアリ(병아리=ひよこ)
グループ最年少。韓国籍だが京都で生まれ育った在日コリアンで、日本語ネイティブ。
きっかけが変わっている。STAYCのバックダンサーとしてKCON JAPANのステージに出たところ、High Up Entertainmentにキャスティングされた。その後H Musicに移ってHITGSのマンネに収まった。2024年の歌謡大祝祭プレショーステージで初お披露目、正式な公開は2025年4月4日。日本のファンとしては気になる存在だろう。
ディスコグラフィ
シングルアルバム

2025.04.28
1st Single Album『Things We Love : H』
タイトル曲『SOURPATCH』、カップリング『Never Be Me』の2曲入り。デビュー作。
デジタルシングル

2025.06.02
『Gross』

2025.07.07
『Charizzma』
2025.09.22 … 『A-ha!』
ミニアルバム

2025.10.06
1st Mini Album『Things We Love : I』
タイトル曲『Happy』。全5曲(Happy / A-Ha! / Page / Gross / Charizzma)。先行リリースの3曲を含む構成。
Things We Dreamシリーズ

2026.04.15
『Things We Dream : Vol.1』
タイトル曲『Cherry Blossom』

2026.06.26
『Things We Dream : Vol.2』
タイトル曲『Little by Little』
5人の集まり方
このグループを見ていて面白いのは、メンバーの合流経路がバラバラなことだ。
SeoheeがStarshipから移籍して、Hyerinを連れてきた。VVはSMとYuehuaを経由してたどり着いた。IyooはKCON JAPANでバックダンサーをやっていたところをスカウトされた。SeojinはKiss of Lifeのチームで訓練を積んだ。
何千人のオーディションから選抜されました、という物語ではない。人づて、偶然、現場の縁。新体操の国家代表ジュニアと、SM出身の中国人と、京都育ちの在日コリアンが同じグループにいるのは、狙って作れる編成ではないだろう。
デビューから1年2か月。シングルアルバム1枚、ミニアルバム1枚、デジタルシングルはVol.2で4枚目。リリースのペースは速い。シリーズ名が「Things We Love」から「Things We Dream」に変わっているのも、フェーズが動いていることの表れだと思う。
まずは『Little by Little』を聴いてみてほしい。
ひとまず、イジェン・アンニョン。



コメント