MISS A、Lovelyz、LOOΠΔを作った男、Jaden Jeongの仕事。pret.1

Jaden

日々現れては消えていくうたかたのようなガールズグループ達。
その多くは、世間にほとんど知られる事もなく解散していく。
有名なグループがやっている当たり前のことを、それらのグループは当たり前にやってない。
例えば、メンバーの画像を順次SNSにアップしていくことだったり。
「自分がスタッフだったら、今よりは有名にしてあげれるのにな。」なんて事を考えたことがあるのは私だけじゃないはずだ。

その、今は当たり前に行われているプロモーション。それを作った男がいる。
その男はMISS A、Lovelyzを作った。現在はLOOΠΔを手掛けている。

LOOΠΔプロジェクトは総予算99億ウォン。誰が投資したのか話題になっている。
あなたが投資家だったとしたらどうだろう?
MISS A、Lovelyzを作ったという実績は投資の対象にならないだろうか?
ならば、2PMを「野獣アイドル」としてトップアイドルグループに育て上げた人物だったら?
Wonder Girlsの『Tell Me』旋風を巻き起こした張本人だったとしたら?

その人物の名前はJaden Jeong。
現在もLOOΠΔを、Ladies Codeの再起を、そしてHeizeをNo.1に導くなど、精力的に活動をしている。

Jaden Jeong

本名、チョン・ギョンギ(정병기)

LovelyzメンバーのSNSの中では、チョン・ギョンギ理事として登場。
INFINITEファンの間ではインスタにお宝画像がアップされる事からJaden Jeong様と呼ばれていた。

元々音楽ブロガーとして有名だったが、2000年にソ・テジの会社に入社、音楽にまつわる仕事をスタートした。
その後フリーランスとしてイ・ヒョリ、IVY、Brown Eyed Soul、神話などと仕事をしたという。
2007年にJYPにマーケティング担当として入社、その後クリエイティブディレクターに。
2011年末頃にWoollimに移籍、取締役に就任しA&Rマンとして活躍。
2015年に再びフリーランスとなり、A&R、クリエイティブディレクター、ミュージックプロデューサーなどで私たちに素敵な音楽を提供してくれている。
なお、現在も短い文章ながらも的を射た音楽評を続けている。

K-POPの歴史

Jaden Jeongの実績を理解していただく上で、K-POPの歴史や背景を簡単に振り返りたいと思う。

韓国のポップスの歴史はアメリカ、イギリス、日本、フランスなどのいわゆる大衆音楽先進国にくらべ、非常に浅い。
90年代頭まではそのほとんどがバラードとトロットであったという。
さすがにトロットは年間200タイトルくらいになっているが、現在もピアノやアコースティック・ギターの伴奏にのったバラードのリリースは多い。
韓国で1日にリリースされる大衆音楽は新譜は約50タイトルで、年間で13000タイトル以上が世にだされている。
これは大衆音楽先進国に比べ、半分に満たない数だと思う。
その中で私たちがK-POPと認識している中心となるアイドルグループの年間リリースは、ガールズで約200、ボーイズで1.5倍から倍くらいの300~400タイトルだろうか。
その数は年々増加しており、それをリアルタイムで見ている私たちはその進化の過程を含めてK-POPの面白さだと感じているのだと思う。

バラードとトロットが中心であった韓国の大衆音楽であるが、それは92年ソテジワアイドゥルの登場により変わったといわれている。
それまでも歌謡ポップス的な物はあったが、アレンジや唱法の変化により、日本と同様に現在はほぼ消滅している。
ソテジワアイドゥルはボーカル、作詞・作曲のソ・テジとコーラスやバックボーカルとダンスを担当した、イ・ジュノ、現在YGエンタの代表ヤン・ヒョンソクの3人グループ。
その、ラップが加味されたダンスミュージックは10代、20代の若者に大人気となり、以降、同様のスタイルのアイドルグループが企画されヒットし、現在のK-POPの原型が出来上がる。

はじめて商業的に成功したガールズは1997年デビューのS.E.S。以降BABY V.O.X、1998年FIN.K.Lと続きガールズブームが起こる。
ブームは2000年頃をピークに、2004年には完全に終了、デビューも数えるほどになる。

2000年BOAデビュー、翌年には日本デビューし人気に。
この頃の韓国にはシングルやミニアルバムという概念は無く、BOAも単独では韓国向けのシングルやミニアルバムを1枚もリリースしていない。
おそらくシングルやミニアルバムがリリースされ始めたのは2000年代中頃と思われる。

2004年日本語の音楽CD、レコードの販売、日本映画の公開が全面解禁される。
それまで韓国は文化鎖国的な政策を続けており、それが韓国内のポップスの発展を妨げていた。
この年に東方神起がデビュー、翌年に日本でもデビューする。

2006年、BIGBANGデビュー。
2007年、KARA、少女時代、Wonder Girlsがデビュー。ちなみに少女時代とWonder Girlsはシングルだった。
2009年、2NE1、T-ara、f(x)、After School、、4 Minute、Secretデビュー。
この頃の7年という専属契約は、今のライバルとなるグループ数の増加と、歌番組の視聴率低下を全く予想できていなかったからだろう。

2011年、日本のK-POPブームがピークに。

2014年、Lovlyzデビュー。
2016年、LOOΠΔプロジェクトスタート。


これから数回に分けて、Jaden Jeongがやった仕事について解説していきたいと思う。
実はもっとゆっくりと時間をかけて長いエントリーを投稿しようと思っていたのだが、他のブログに抜かれてしまったので。。。

K-POPの歴史について、私はリアルタイムで聴いていたわけではないので間違いがあれば教えていただきたい。

イジェン、アンニョン。